大蔵館襲撃1155.8.16

悪源太十五歳、初陣。
源義朝の嫡男・源義平(源太)は、父の命を受け源義賢(義朝の弟)を夜襲し、討つ。

源義賢の館では、月見の宴が催されていた。
源義平は、宴が終わったその時、油断を突いた。
館の門を破り、義平が大声で名乗りをあげると、家人たちは驚き、騒然とする。
寝室で寝ていた義賢もいきなりの甥の襲撃に驚き飛び起きたが、
自分の妻と2歳になったばかりの息子・駒王丸を逃がすのが精一杯だった。
そこへ返り血に塗れた義平が切り込んできた。

「叔父上、源太にございます。」
血に赤黒く染まった顔で双眸だけが鋭く光っていた。

武勇の誉れ高い義賢であったが、酔いの覚めぬ腕では満足に剣は振るえない。
義平の刀が義賢の咽元を貫き、義賢は息絶えた。
これより後、源太義平は『悪源太(武勇に優れた源氏の嫡男の意)』と呼ばれる。


義平の勝ち名乗りを聞いて、奮戦していた武士達も終結した。
その中の一人、畠山重能に向けて義平は
「息子・駒王丸は将来我らに復讐の刃を向けるかもしれないから、不憫ではあるが探し出して殺せ」
と命じた。

しかし、重能は幼い駒王丸を殺すのは忍びないと、旧友である斉藤実盛に母子を匿う手立てを相談した。
実盛は思案の末、母子を木曾の中原兼遠のもとへ逃れさせた。
この駒王丸こそ、後の木曾義仲である。




悪源太好きなのと、この後の義仲と実盛のエピソードが好きなのとでこの話は外せないと思い書きました。

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